新型コロナウィルスに感染してしまった身内。
これは外出していない私の父親なのです。
コロナ感染により体調不良になる前日まで歩いて好きなものを食べられていたのに。
コロナに感染したことが判明したその日から抗体カクテルで治療してました。
その後は隔離病棟で陰性になるまで治療していましたが、あっという間に食事も摂れなくなりました。
コロナの後遺症はあまりにも大きくてひどすぎるものでした。
命の選択を決定する日が迫って来たのです。
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コロナの後遺症で食事は鼻からの栄養、ベッドに拘束されている父親
コロナに感染した父親は今鼻からチューブで栄養を入れ、ミトンをして拘束されています。
これは人としての尊厳が保たれていない状態です。
でもそれをしないと命を繋いでいられない父親。
なんてったって外出していない父親がコロナに感染したなんて!
どこで感染したのか不思議なのです。
ミトンをした上に手を万歳した状態でベッドに手をくくられています父親は健全な人間の状態とはとても言えません。
パジャマではなく、囚人のようなツナギです。
コロナ感染により閉鎖された空間にいたことで廃用症候群になってしまったのです。
人間、外部とのつながりを持たないと廃人のようになってしまうんです。
認知機能、見当識障害、筋肉低下など等。
ここはどこなんだか、今どんな状況にいるのだか、さっぱりわから無くなってしまったと思います。
治療と言えば、鼻から管で栄養を入れていますが、それ自体うっとうしくて苦しくて辛いはずです。
だから手で管を外そうとする父親。
手を縛るしかないのです。
尊厳はないですね。
苦しででしょう。
うっとうしいでしょう。
寝返りさえ辛い。
何かの処置をするたびに、動いてしまうので普段以上の拘束をするそうです。
この状態をつづければあとどのくらい生きるかだいたいわかりました。
飲まず食わずでも無理やり鼻から栄養を入れているので多少なりとも拘束をして命はつなげています。
その話を聞いて今後の治療方針を考えました。
命をつなぐための選択は一つを除きどれも苦しい
鼻からチューブを入れて栄養を入れると言うことは、かなり辛いです。
たんの吸入もしなくてはならないので、その状態では一層苦しくなります。
その都度父親は辛い症状を体で訴え、動いてしまうのだそうで、看護師さんが数人で押さえつけて処置をします。
この状態でもあまり栄養も薬も体中には届いてないとのこと。
普通に手から又は脚の血管から点滴をする方法もあります。
点滴は低カロリーなので、あまり長い命は期待できないと。
そして針を抜いてしまう恐れもあるので、多少の拘束はあるとの話でした。
もうひとつ、脚の付け根からカテーテルを入れて直接栄養を送り込むと言う方法も提案され、この方法はうまくいけば一番長く生きられると。
でも脚の付け根を切開しなくてはなりません。
それの伴って、感染症のリスクもあります。
そうなったら一気に命は無くなります。
また、脚の付け根に大きな太い管が入っていると言うことは寝返りも辛い。
こちらの鼻から栄養のやり方ほどではありませんが、多少の拘束もあり得ると。
え?どれも拘束するという事?
いいえ、ただひとつ拘束しないで苦しくなく本人の尊厳を保つ方法も選択できますと言われたのです。
でもそれは命の期限の選択を決めると言うことでもあるのです。
コロナの後遺症で限りある短い命!
新型コロナウィルスに感染してしまった父親ですが、コロナは軽症で肺炎など起こさなかったものの、その後の後遺症があまりにもひどいのです。
「ここはどこ?」
「自分は誰?」
「なぜここにいる?」
これよりも酷い。
おそらくせん妄状態と言って、意識混濁している状態がずっと続いているような感じですね。
コロナ病棟にいた時に、すぐにでも食事が摂れればよかったのです。
それが出来なかったため、すぐに拘束された状態での治療が始まりました。
治療と言っても、薬と栄養を鼻から入れ体的には自由に動けない状態です。
動けば危ないので、さらに抑えられ命をつ流れていく。
担当の医師からは今の体調、どんな状態であるかを教えてもらいました。
娘の私からは今の治療があまりにも気の毒で可愛そうでかわいそうで。
いくら今まで手がかかって娘には封建的な父親だったとしてもです。
私と妹は決断しました。
拘束して多少命が長くなるよりも、もう自由にしてあげよう。
あっという間に命は消えていくけど最期は辛くない状態にしてあげようと。
あらゆる治療をしない。
点滴もしない、口から食事も摂らないであろう父親はそう長くは持ちません。
そう考えた私は近いうち、葬儀屋さんにも連絡をする事も視野に入れてます。
担当の医師はこう話してました。
コロナに感染したことが今回の状態になったきっかけだったかもしれません。
運が悪かったと思いますが、年齢的にも老衰の最初の時期に入ったと考えられるかもしれないですと。
なんともここにきてまさかのコロナ感染で命の選択を迫られるなんて思ってもいませんでした。
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